2010年 05月 20日

4月歌会報告

かばん関西四月歌会記

[参加者] 雨宮司、有田里絵、岩本久美(ゲスト)、十谷あとり(日月/玲瓏)、渡口航(短歌人)、文屋亮(玲瓏)、三澤達世、山下りん(ゲスト)

今回の兼題は「天気」。この四月はソメイヨシノの見頃が長く続いた反面、低温・遅霜による野菜価格の高騰などもありました。照るにつけ降るにつけこころに響く春、八名の参加者の方から、合計三十三首の作品をお寄せいただきました。作品を一首ずつご紹介いたします。

◇兼題の部「天気」より

・「晴れ」つまり2割以上9割未満、空に対する雲の面積   渡口航

・曇天の夜空を裸眼で見上ぐれば触れうるほしのようなり碍子   三澤達世

・雨が多いですねと交わす春の朝ブレーキ音のとおく曳きいて   岩本久美

・霧雨の漂う森に破【や】れ傘を差した男がひとりさすらう     雨宮司

・雨の海湿りの海に晴れの海いつか蒸気の海に建つ月基地      文屋亮

◇自由詠の部より

・エレベーター舞い込んできた花びらに遅くはないと背中押される   山下りん

・ヴィルヘルム・ハンマースホイ唱えればくすっと笑える名前、ごめんね    有田里絵

・子の後につき従ひてたんぽぽの絮吹きしこと暮れがたき野に     十谷あとり

「天気」というお題から、天を仰いで歌想を練られた方が多かったようです。晴れより曇、曇より雨の方が歌になりやすいのは、表情に変化があるからでしょうか。渡口さんが金星の雨を詠めば、文屋さんは幻の月基地をうたい……と、まったくの偶然ながら、モチーフが呼び交わす場面もあり、楽しい歌会となりました。ありがとうございました。(十谷あとり 記)
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by kaban-west | 2010-05-20 22:06 | 歌会報告


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