かばん関西歌会 梅春江之子島歌会報告
[参加者]雨宮司 有田里絵 ガク(ゲスト) 黒路よしひろ(ゲスト) サカイミチカ 塩谷風月(シアンの会 詠草のみ) 十谷あとり(日月) 辻愛由菜(ゲスト) 蔦きうい(玲瓏) とみいえひろこ 福島直広 ふらみらり 他お二方
二月二十三日(日)、大阪府立江之子島文化芸術創造センターに於いて、かばん関西恒例のオフライン歌会をとり行いました。
今回は初参加の方お二人を含め、遠近より十二名の参加者が集まりました。
歌会前半は詠草集をもとにした選歌・互評。後半は一人当たり十分間のフリートークを行いました。自歌自註、作歌において現在抱えている課題、過日奈良県で行われた穂村弘さんの講演の話題、また短歌とは切っても切れない〈恋愛〉についての意見交換など、刺激的な話題が飛び交い、脳が気持ちよくシャッフルされました。
詠草の一部をご紹介いたします。
・空の青白妙の雪墨の雲あかねむらさき彩へる大和 ガク
・東京できみが育てた依怙地さが春の茶室の床にぽつりと 蔦きうい
・消費期限明朝となる食パンのかさつきファンデーション乗らぬ肌 サカイミチカ
・担当医「まずは化粧を買いましょう」保険が効くなら考えましょう 雨宮司
・真夜中に取り残されて溢血の痕なぞってもいつか消えるの 辻愛由菜
・助手席で朝から唐揚弁当を食う相棒が尚且つワキガ 福島直広
・目は濡れた傷ですときにぱっくりと開いて生に染められている とみいえひろこ
・あけるなる わたしがいつかめにたどるひかりのたねのためのぬばたま 十谷あとり
・大道に門無きゆえに惑いたり音なく緩みゆく濁り酒 塩谷風月
・雪だるまつれて帰ろうヒロさんはもういないって目で見てわかる 有田里絵
・優しさをこんな場所でも使ってくる面白くないのよあなたの愛撫 黒路よしひろ
日頃なかなか会うことのできない歌の仲間と顔を合わせ、歌について心おきなく語り合うことができました。ご参加・ご協力下さいましたみなさまに感謝いたします。
今後も継続的に開催を予定しております。 (十谷あとり 記)