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かばん関西歌会

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2016年 10月 07日

7月高槻吟行報告

かばん関西七夕高槻歌会
二〇一六年七月三日(日曜日)
於 高槻市立芥川公民館
【参加者】(当日参加者)雨宮司、新井蜜(かばん/塔)、有田里絵、黒路よしひろ、佐藤元紀、雀來豆(ゲスト)、とみいえひろこ、浜田えみな(購読)、福島直広、ふらみらり、ぱん子(未來)
(詠草のみ参加者)泳二(ゲスト)、十谷あとり(日月)、杉田抱僕(ゲスト)、足田久夢(購読、玲瓏)、ミカヅキカゲリ

 お題「願い」をもとに、歌会を行いました。歌会のあとは芥川までみんなで歩きました。
 当日の高得点歌はこちら。

アゲハチョウ早く孵れと願う子の静かに光る歯の矯正具  雀來豆
ひかるくしくらげおどりを見てみたい月の触手もぐねぐねとして  足田久夢
駅ビルの地下の三脚スツールと占いを待つ女が赤い  福島直広
何ねがふなくて見上ぐる夏至の空 朝、あたりまへのやうにあかるし  十谷あとり

 その他、今回は作者による自作の説明の時間、短歌あれこれについて話す時間などもとりました。

ささやかな願いはたったひとつだけ一冊だけでも本を出したい  雨宮司
蒼ざめる牝鹿の群れを打ち捨てて駆け落ちしたい目覚めよアリス  新井蜜
講堂のグランドピアノ開くとき青海を見る十五歳たれ  有田里絵
七夕の夜はむやみに雨雲を見上げぬようにお願いします  泳二
隙あらば自分語りを始め出す花鶏【あとり】よ今日も良き一日であれ  黒路よしひろ
梅雨空に葡萄しづかにみのりつつ怒りより瞑りそして明日あれ  佐藤元紀
幸福でありますようにここじゃない場所でも僕は気づけなくても  杉田抱僕
願いごと交換し合う夜の子らあなたのくるしみはあたたかい  とみいえひろこ
癒えてなお忘れたころに疼きだす古傷みたいな願いがひとつ  浜田えみな
炭酸の泡は消えゆくわる者が求めた愛や愛や愛のごと  ぱん子
願望が枯渇したときそれはもう死んでるんだよ ハラミほおばり  ふらみらり
 いなどもはや持てずに天の川ちいさき我を夜空に放つ  ミカヅキカゲリ

(記/とみいえひろこ)


by kaban-west | 2016-10-07 08:58 | 歌会報告


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