かばん関西歌会

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2006年 04月 30日

4月歌会報告

かばん関西2006年4月歌会 報告記

【参加者】雨宮司、有田里絵、笹井宏之(購読)、十谷あとり(日月・玲瓏所属)、やや(ゲスト)、棉くみこ

 かばん関西MLを利用したオンライン歌会。題は春のイメージで白としました。

■兼題「白」

生むように生まれるように真昼間の沸騰水を沈む白玉  笹井宏之

はなびらの白いくつかを留めたる傘たたまれて夜に傾く 十谷あとり

いとけなく母猫を追ふ白猫のあうらあかるし名は桜丸
  
ぴったりを見つけられずに何年が過ぎたのだろう白い綿シャツ 有田里絵

責任を逃れるように丸まって シュレッダーは白の虫かご 棉くみこ

一首目、「生むように生まれるように」の比喩のうまさに評が集まる。晴れた午後の情景が浮かぶよう。二首目、「夜に傾く」傘が鮮やか。しばらく留まって鑑賞していたい歌。三首目、ふだん意識しない猫の「あうら」に焦点を当てた点がユニーク。桜丸の響きも明るく、ドラマ性がある。四首目、実感がこもっているとして2票。「何年が」が大げさとの意見も。五首目、刻まれた紙片が落ちていく様子がわかる。ただ上句の意味が曖昧。
 題詠は全部で十三首あつまった。白玉、シャツ、シロナガスクジラ…とさまざまな白に混じり、はなびらの持つほのあかるい白、メールや本の余白といった白も印象に残った。

■自由詠

一日の始めと終わりつなぐよに右から左はみがきをする  有田里絵

特大のファールボールをあてられてフェンスがわれに返る数秒 笹井宏之

うしろ手に扉しめれば過ぎてきた時がさらさら砂山となる   やや

ムンフバト・ダバジャルガルが理事会の満場一致で大関となる  雨宮司

 一首目、「つなぐよに」は「つなぐように」と直したほうがよいという指摘が出たものの、見立てのよさで高得点歌に。二首目、振動するフェンスを「われに返る」と表現したことで、より真に迫る歌に。三首目、読み手それぞれが違った場面を想像しながらも、共鳴できる歌となった。四首目、事実そのままという意見と、そのままだけどなんとも言えないおかしみがある、との意見に分かれた。

 この歌は棉さんでしょうか……と最近よく当てられるので、今度は意外性のある歌を提出するぞと思ったりしています。
(棉くみこ記)
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by kaban-west | 2006-04-30 11:32 | 歌会報告


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