かばん関西歌会

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2008年 03月 05日

2月歌会報告

◆◇◆かばん関西2月歌会記◆◇◆

【参加者】天昵 聰、雨宮司、有田里絵、石川游、笹井宏之(購読・未来)、十谷あとり(日月・玲瓏)、蔦きうい(玲瓏)、山下りん (ゲスト)、山田航、棉くみこ

こんにちは。私は、春です。今回は十谷さんが私を兼題に選んでくれはりました。歌の最初の一文字が「は」、終わりの一文字が「る」の歌を詠んで下さい、と。嬉しくて思わず出てきてしまいました。どうぞよろしゅうお付き合いのほどを。

【兼題の部】
☆花かんざしいっせいに向くその先の日溜まりにありもうすぐの春  山下りん 

そう、日溜まりは私の源なのです。花たちはすぐに見つけてくれます。

☆はるかむかし下駄ばきの足が石を蹴り缶蹴りしこと まだ覚えてる   石川游

一昔前はよく見ました。懐かしいです。もうすぐ素足で歩けるようになりますよ。

☆剥落を飾りとなして西壁に「塩」一文字の看板は旧る  十谷あとり 

紺地に白い塩の文字の看板。剥落、西壁とくれば、立ち戻らずにはいられません。

☆灰色の猫の眠りの香箱を満たさむとしてひかりは降【くだ】る  十谷あとり

うずくまる猫を撫でるとなんとも気持ちいいのです。ついうとうとしてこんな夢を見ました。

☆はらはらとたまねぎの皮剥きゆきて透明になる私を夢見る  山下りん 

私も思いますわ、本当は私ってどんな姿をしてんのやろ?って。たまねぎは教えてくれへんのに。

☆ハンガリーシチューを煮込む昼中に名指しの勧誘電話が混じる  棉くみこ

それで、昼間から煮込んでしまいました。名指しの勧誘電話、私も一度かけてもらいたいものです。

☆はんぺんに汁染み込まず 膨れゆく揚げボールばかり選びいる夜   天昵 聰

夜はあったかい和食が食べたくなりましたが、うまくいかず。でもそういう日もあるのです。

☆浜名湖で夜のお菓子を買ってきてちょっと照れつつ近所にくばる   天昵 聰

ちなみにうなぎパイVSOPは「真夜中のお菓子」ですよ。
ああ、みんな美味しそうやわ。私の口は食べられないのです。でも時々こうしてお話するだけで充分。

☆はりつけのレシートの束を見ていたら「費用」と貴方は教えてくれる   山田航 

穂村弘氏の歌の本歌取り。私の他にも、いい人がいてはりますのね。

☆母は母どんなにひっくり返してもはははははははまだ生きている  雨宮司

仙波龍英氏の歌の本歌取り。どんなときも母は強いものです。だから新たな命が生まれます。

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番外編になりますがこんな歌もありましたので。

ハンニバル将軍からの手紙にはボクは出撃せぬとあり 冬  蔦きうい

ゆっくりとまぶたの奥の雨雲が北へ流れて春がはじまる  笹井宏之 

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いろいろ詠って下さって、私はとても満足です。おおきに。最後に自由詠から何首かご紹介しておきます。では、ごきげんよう。いつもみなさまの隣、春より。

【自由詠の部】

☆破壊的にこころのきよいひとたちと霞ヶ関のかすみを食べる  笹井宏之

☆チョコレートあげるだけではなくなりて家族で開くメリーひとはこ   有田里絵

☆フン人が去ってこのかた鳴り止まぬ午後の診察室の目覚まし  蔦きうい

☆白き夕に春のきざしのすべりくるいしだあゆみとなりて人恋う  棉くみこ

☆逆光とともに見上げた自転車のハンドルなんかイカロスみたい  山田航

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かばん関西ブログでは、オフライン歌会当日の吟行詠草一覧も読めますので、ぜひどうぞ。皆様ありがとうございました。(有田里絵・記)
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by kaban-west | 2008-03-05 11:31 | 歌会報告


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