かばん関西歌会

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2007年 07月 06日

6月歌会報告

◆◇◆ かばん関西歌会 ◆◇◆ 平成十九年 六月 オンライン歌会

<参加者>赤キノコ(ゲスト)、雨宮司、大澤美枝子、十谷あとり(日月・玲瓏)、蔦きうい(玲瓏)、福田貢一、山下りん(ゲスト)、棉くみこ、有田里絵

今月は兼題「手ざわり」に24首、自由詠に22首が集まりました。
()内は選歌点数です。

<兼題の部>

人の肌や体を中心に置いた歌と、物を中心に置いてお題を表そうとする歌とに分かれた。全体的にオノマトペが多用されている。

☆指先で寝物語を語るときトンツートンツーあなたが好きよ  大澤美枝子(2)

重複の指摘はあるものの、モールス信号のような表現がリズミカルで面白い。
素直に好きだと言える心に共感。

☆さらさらと髪をたばねて待つすがら今年も花火はひとりで行くかも   赤キノコ(3)

結句の突き放した言い方は逆に想い人の存在を思わせる。
べったりした関係でないであろうところが、髪の描写とよく合っている。

☆ざらざらの尻尾をつかみぶんぶんと振り回しては飛ばしてしまう   雨宮司(1)

「尻尾」が何を表現しているのか不明という意見と、面白いという意見とに分かれた。
前者は情報不足だと感じた人、後者は想像をかき立てられた人。

☆やわらかく息をしているものたちのそれに触れゆく朝の緑道  山下りん(1)

歌い出しのやわらかな感性に共感を覚える人が多かったが、「それ」を具体化するほうがいいという意見が目立った。

☆お湯の中ピンク色して笑う子の使いはじめて間もない手足  有田里絵(5)

下の句のストレートな表現に評価及び意見が集まった。
子育て経験者は概ね「かわいい」と評価したが、ちょっと生々しいという意見も。

☆まとめて洗ふ四膳の箸からからと家族(うから)の骨のふれあふに似て  十谷あとり(4)

「からから」の使い方とリズム効果が好評。
十谷作品の語彙には毎回良い勉強をさせて頂いています。
「骨」はシュールな印象も与えるが、毎日使う箸とリンクさせた点が巧み。

<自由詠の部>

毎回バリエーションがあって楽しい自由詠。寄せられたコメントにも、各人が自分の目指すところの歌に取り組む姿勢が表れている。濃いです。

☆鍵もてば鍵振り回すかなしみをもてば両手をしずかにおろす 棉くみこ(4)

寄せられたコメント量が最長で、結果発表後も意見交換がなされた歌。
読み手によって捉え方は異なったが、作者によれば二句切れ。
鍵とかなしみを動きをつけて対比させた点に対して、高い評価が得られた。

☆なんとなくダメな日もある背を伸ばし一本という筋を入れても  山下りん(1)

口語の素直な詠みぶりに好印象を受ける。共感するコメントが多く寄せられた歌で、選歌点数とコメント内容は必ずしも一致しないのだと思った。

☆一億年前の沼べりスナフキンが弦をなだめて「朧月夜」を  蔦きうい(3)

一億年とスナフキンとの取り合わせにスケールの大きさが感じられる。
ムーミンの中でも異色な登場人物であるスナフキンの雰囲気がよく出ている。

☆飲み干したラムネの壜はくちびるにガラスの鈴のひびきを残す 十谷あとり(4)

下の句に、涼しさとラムネを飲んだ後の心地よさを感じる。
「ガラスの鈴のひびき」に注目が集まった。懐かしさと余韻もたっぷり。

☆心から好きな人の幸せ願ひたし寅さんのごとくあんちゃんのごとく  福田貢一(1)

二句はかなりの破調であるものの、「願ひたし」の正直さに惹かれる。
優しい気持ちになれる、よくわかる、という意見多数。

☆いっせいにケヤキ若葉を繰り出して取り残されるのは誰だろう  大澤美枝子(3)

上の句の瑞々しさに対して、切なく寂しい下の句の疑問形。
「取り残される」の主語に意見が分かれたが、不思議な雰囲気を評価する声があった。

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このたび「かばん関西歌会ブログ」が、かばん本誌ホームページにリンクされました。
こちらの歌会記には載せていない連歌の模様等も公開しています。
どなたでも読めますので、御一読下さいましたら幸いです。(有田里絵)
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by kaban-west | 2007-07-06 12:42 | 歌会報告
2007年 07月 03日

連歌○かりゆし・初夏・とび散る玉の巻

はなみずき白いてのひら空に向け  あとり

  清澄の青に天女の舞いて  貢一

はごろものかわりにスカーフひらめかせ  里絵

  鯉のぼりだと駆けゆく童女  司

吹き渡る風おだやかなりて顔をあげ  美枝子

  小声で歌う「アメイジンググレイス」  貢一

葉桜に手をあてたままきいている  宏之

  蟻と蟻とのかたい挨拶  あとり

気づいてよほのかな恋のある場所を  きうい

  桃色の空いつのことやら  キノコ

三つ指でそっとつまんでみる苺  里絵

  草かんむりの母はほほゑみ  あとり

静かにね背中を押してくれる人  美枝子

  泰山木の木陰より来る  りん

切り口に木耳がよく生えている  司

  噂の好きなスカラベのピアス  あとり

人絶ちて法華経唱え没入し  貢一

  最後のひともじ青空に書く  里絵

ベルマーク切れば学習帳に穴  あとり

  宝島に通じる海へと  りん

初夏の空愛染明王燃え立ちて  貢一

  西の海へと歩み速める  司

地球儀の止まつたところが俺の家  あとり

  実存求めて永久革命  貢一

ゲバラへの未練残してエビータは  司

  エビちゃん並みのモデルを目指す  里絵

すくと立つ足の長さをうらやみて  美枝子

  あしたゆふべに蜘蛛のアーサナ  あとり

カンダタの空我もまた見上げれば  りん

  ゆらゆらと揺れ落ちゆくひかり  司

マルクスのはやらぬさびしき世の中で  貢一

  納涼床に読む明月記  あとり

ほ、ほたる画面の中に線となり  くみこ

  浴衣の柄にぴたりと重なる  里絵

ゆうがおに屈んで想う去年【こぞ】の友  きうい

  法然包む罪深きもの  貢一

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by kaban-west | 2007-07-03 08:41 | 自由に連歌