かばん関西歌会

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2008年 11月 08日

10月歌会報告

<かばん関西10月歌会 歌会記>              

参加者・・・天昵聰、雨宮司、岩本久美(購読)、笹井宏之(購読/未来)、十谷あとり(日月/玲瓏)、蔦きうい(玲瓏=選歌のみ参加)、山田航、有田里絵

お題を「前後、上下、左右」としたところ、苦心の声(すみません)と共に魅力ある歌が集まった。
以下、歌会の番号順に一人一首ずつ紹介します。

さいころにおじさんが住み着いている 転がすたびに大声がする   笹井宏之

「おじさん」の存在感に意見集中。好意的な評が大半だったが、不思議な世界感をそのまま受けとる人と、もう少し知りたいという人がいたのが興味深い。

ふうはりと空のぼりゆくシースルーエレベーター花婿の置き去り   十谷あとり

コミカルなドラマだが、下句のリズムと花婿を出した点でぐっと深みが出た。透けて見えるエレベーターはセレモニーに対する新郎新婦の温度差も見せてくれるようだ。

困るんですエスカレーターが進むのを前後というか上下というか    雨宮司

上下です、ときっぱりコメントした人が複数。しかし全体の歌いぶりには素直な面白さやユニークさも感じられる。

飴色のメトロノームが止まるまで肩書きのないわたしでいよう     有田里絵

実際の色だが飴色の持つ雰囲気と規則正しい動きの対比に好意的な意見が多かった。

〔もう一歩前へ〕テプラの四隅がカットされてる便器やさしき     天昵 聰 

トイレの張り紙を歌にした着眼点と視覚効果を狙う表記にコメント多数。男性と女性で、この場面に対する理解度に差が出たのは当然か。しかしそれを含めて面白い。

ゆりひらくかっとひらいて窓際の上下左右の世界をつかむ       岩本久美

最高得点歌。優しい発音の花の描写ながら、力強く迫ってくる臨場感に票が集まった。「ひらく」のリピートも好評。読むたびに心地よいバランスを感じる。

だらんと垂れた右手の先の携帯の灯りが消えてあとはゆふやみ     山田航

同じく最高得点歌。結句に惹かれた人が多数。携帯電話を切った後の動き自体はよくあるが、
まだ物語が続く(あるいは始まる)と想像させてくれるのは「ゆふやみ」の語の効果。

最後に、自由詠の部から順不同で何首かご紹介します。

ぬべればやねべればが降りずべねばはへべねばめいたふびぬばとなる    雨宮司

放課後の夕陽を浴びて教室の床はゑくぼのやうな発光     山田航

イチジクを口に運べりペガサスの星座を結べぬ人をおもいて     岩本久美

泣いてゐるこどもを前に使ふ箸罪ぶかきまで匂ふ青紫蘇     十谷あとり


オンラインのみでここまで出来るんだ!と、毎回嬉しくなる歌会です。登録者数は現在40人以上。読むだけではもったいないと思いませんか。ご覧の皆様、ひとことでも歓迎しますのでどうぞご参加下さい。お待ちしています。

      (有田里絵/記)
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by kaban-west | 2008-11-08 10:41 | 歌会報告
2008年 11月 08日

短歌新聞[新人立論]×笹井宏之

[新人立論]644 「歌集と出版形態」  笹井宏之
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平成20年10月10日付 短歌新聞掲載
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by kaban-west | 2008-11-08 10:38 | こんなところに出ました