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2009年 01月 05日

12月歌会報告

<かばん関西12月歌会 歌会記>

<参加者>雨宮司、有田里絵、岩本久美(購読)、笹井宏之(購読/未来)、十谷あとり(日月/玲瓏)、蔦きうい(玲瓏、選歌のみ参加)、福田貢一(北摂短歌の会)、山田航

●兼題の部「台所」

今回は毎日見る場所がお題でした。
歌に表れている生活感の度合いと実際の家事担当の度合い(おそらく)とが比例しない点を、
とても興味深く読みました。各人1首ずつ、番号順に紹介します。

☆おもいきり背中をそらし空あおぐフライ返しをしならせるごと  有田里絵

フライ返しというアイテムに爽やかな印象を受ける人が多かった。

☆ガスコンロの炎の青さそれだけが僕と空とをつないでゐたさ  山田航

若々しくてカッコいい。作中主体の心が台所を抜け出している点に感想が集まった。

☆無言にて豆炒りくれし祖父なりき長さ揃はぬ菜箸を以て  十谷あとり

最高得点歌。リアルな描写で祖父の人間性や歌の背景を感じさせる。

☆真夜中に電子レンジで御飯やらおかずやら皆バクハツさせる  雨宮司

実際の行動ではないにしても、よく分かり、コミカル。

☆とりとめのない考えを泡立ててあらいながして縮むスポンジ  岩本久美

下の句にみなさんが注目。動詞の連続に無駄がなく、共感できる。

☆眠ったままゆきますね 冬、いくばくかの小麦を麻のふくろにつめて  笹井宏之

一連の詠草の中でも個性が際立っている。お題に沿いながら、高い物語性を保った。

☆一度だけ台所に立つことがありました最愛の妻が骨を折りしとき   福田貢一

優しい語り口。一度だけと言いつつも夫婦のつながりを思わせる歌。

●自由詠の部

おしやべりなきみとさうではないぼくが向き合ひながら食べる葛切り  山田航

当然のむくいのように錆色の風を丘のうえで受けている  笹井宏之

薄雲に覆われていく夕空に抱きもできぬ甘い感傷   雨宮司

ゆふぐれの犬やはやはと息づけり波打ちぎはのやうな舌して  十谷あとり

方代さん方代さんと呼びかける煙草くゆらす写真にむかって   福田貢一

師走の忙しい中、兼題に17首、自由詠に12首の歌が集まりました。
それぞれのペースはあるものの、全くの自由参加で続いているオンライ
ン歌会としてはかなり精度が高いと毎月感じます。
参加者常時募集中です。来年も素敵な歌に出会えますように。(有田里絵)
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by kaban-west | 2009-01-05 11:44 | 歌会報告