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2011年 02月 22日

1月オフライン歌会報告

かばん関西 一月オフライン歌会報告

[参加者]雨宮司 有田里絵 黒路よしひろ(ゲスト) 瀬波麻人(未来) 十谷あとり(日月/玲瓏)

一月二十三日(日)、大阪市中央区のボタン店事務室にて歌会を行いました。お一人当たり二首ずつ作品を持ち寄り、互選・意見交換を行いました。作品を一首ずつご紹介いたします。

・文房具マニアの腐女子友だちと恋バナに花咲かす放課後  黒路よしひろ

・わたくしは笛でなければ梢です風わたるたびうねりとなって  雨宮司

・死ぬということば覚えた幼子にしばし聞かせる心臓の音  有田里絵

・幾重にも張りめぐられし茨にも我が姫君を守る意志あり  瀬波麻人

・バス通りに人影あらず曇り日に頻頻【しくしく】と散るかのししの耳  十谷あとり

歌会初参加の黒路さんも意見発表に積極的に参加して下さり、じっくりと歌を読み解く時間を持つことができました。また、「最近読んで印象に残った本」を披露しあいました。瀬波さんからは末次由紀「ちはやふる」(コミック)、有田さんから鶴田伊津『百年の眠り』(歌集)、雨宮さんは松村由利子『大女伝説』(歌集)、黒路さんは犬養孝・山内英正『犬養孝揮毫の万葉歌碑探訪』、十谷からは東直子『とりつくしま』(小説)と、全員が短歌にまつわる本を紹介しました。さすが!
今回は厳寒期につき、室内で通常の歌会を行いましたが、次回は春のお散歩吟行に出掛けたいと考えております。あたたかくなるのが楽しみです。(十谷あとり 記)
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by kaban-west | 2011-02-22 09:40 | 歌会報告
2011年 02月 22日

1月歌会報告

かばん関西 1月メーリングリスト歌会報告

[参加者]あまねそう 雨宮司 有田里絵 黒路よしひろ 十谷あとり(日月/玲瓏) 杉野裕子(水甕) 三澤達世

今回の兼題は、年頭に際し、うたごころを水で浄め、気分を一新したいという願いを込め「水辺」といたしました。兼題の部に十八首、自由詠の部に十一首の作品が集まりました。作品と意見交換の一部をご紹介いたします。

・僕がゆき美絵ちゃんがゆき丸太橋ハジメちゃんだけ落っこちた夏  黒路よしひろ

架空とおぼしき設定ながら、読者のノスタルジーを誘う歌。固有名詞を多用した点については好みが分かれました。

・葱にほふ手のとほくなり高層の金属くさき水掬いをり  杉野裕子

時間、空間、生活の変遷が一首の中に凝縮したかたちで詠み込まれています。歌の大方の意味は伝わりますが、もう少しわかりやすい表現にできる余地があるかも、との意見がありました。

・ひとり分の食器はすぐに洗い終えゆるい蛇口を水が滴る  三澤達世

ことがらを率直に詠んだことで、何気ない日常の孤独が歌を通して伝わってきます。主語~述語のねじれについて指摘がありました。

・勝手口戸棚の上に今もあるワセリンの瓶のふたの真っ青  有田里絵

対象を静かに見つめて詠まれた歌。濃い青色が印象に残ります。

・船頭の歌が聴こえてきたような千住元町養老ホーム  あまねそう

江戸情緒の感じられる「千住」という地名を織り込んで好感度の高かった一首。まぼろしの船頭が歌っていたのか、それともホームの居住者の歌声だったのか、想像をかきたてられました。

・雪のなか葦辺に向けてただ一羽降りた白鷺たちまち隠る  雨宮司

オーソドックスな叙景に取り組んだ作品。静かな景なので、「ただ」「たちまち」という副詞を省いた方がよいのではとの意見がありました。

自由詠の部より、一首ずつご紹介いたします。

・ヨノミの木は冬曇天にひらきけり枝なかに見ゆ古巣のひとつ  十谷あとり

・あの猫は僕の姉ちゃん墓場にて転んだあの日猫へと化けた  黒路よしひろ

・カーテンを閉めず乳出す母がいて肩身のせまき授乳室かな  あまねそう

・重苦しいプロペラ音に空自かと窓を開ければ白い飛行船  雨宮司

・ひととせをせつない歌で越えゆかむ子らの笑顔と降りやまぬ雪  有田里絵

・夏の歌の収録されたCDが鳥を除けおり冬枯れの庭  三澤達世
                                (十谷あとり記)
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by kaban-west | 2011-02-22 09:37 | 歌会報告
2011年 02月 14日

12月歌会報告

♪ かばん関西 十二月オンライン歌会記 ♪

今月は新しい方、黒路よしひろさんがいらして下さいました。
お題は「光」です。
イルミネーションよろしく短歌を飾りましょうとの思いを込めて。
家族や人物につながる歌が多く寄せられました。

<参加者>雨宮司、あまねそう、有田里絵、黒路よしひろ(ゲスト)、三澤達世(選歌のみ)

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まずは兼題の部から。

☆月は入りタケヤブヤケタ モチモチの切り絵のように黒を増しつつ  あまねそう

あの絵本が頭に広がる。カタカナの直線的な形も切り絵のイメージとリンクできる。
細やかな工夫が感じられるが、
回文や表記に注意が行き過ぎるためか、主旨が伝わりにくかった。

☆十月の朝の日ざしのやわらかく子が目ざめれば光よろこぶ  あまねそう

やわらかく、やさしい歌。親である実感が感じられる。
その意味では、あくまでも親から見たことを詠んだ歌である、という指摘も。

☆ラメ入りのタイツは一度はいただけわざわざまとう光はいらぬ  有田里絵

褒めれば自尊心が、けなすならばしっと切って捨てる性格が出ている・・・。
不要品を捨てるのが得意な作者です。はい。

☆郷愁に駆られてひとり屋上で眺めたっけなウルトラの星   黒路よしひろ

望郷の念とウルトラマンが故郷の星を眺める場面を重ねた歌。
口語が効いていて、わびしく、どこか面白く仕上がっている。

☆はじめての光にひゃっ!!と驚いて赤子の君があげる産声  黒路よしひろ

どうしても感嘆符に目がいく。語句の意味に重複があるものの、
誰もが一度感じていることだけに、現役ママの私からすれば、うんうん、と納得がいく。

☆軸太き銀の雨ばかり映しいる探照灯の鋭い光    雨宮司

得票数の多かった歌。雨の日のサーチライトは、それだけで詩情がある。
語句の堅さやニュアンスが揃っている。

☆逆光の池で翼を羽ばたかせ銀の粒子を身にまとう鴨   雨宮司

誰でも一度は目にしたことがある光景で、今回いちばん叙景歌らしい歌。
細部へのこだわりは伝わるが、やはり既視感をぬぐえないと言う意見があった。
白鳥や単なる鳥ではなく鴨にしたのは事実なのだろうか。

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続いて自由詠です。おひとりさま一首ずつご紹介します。

☆動かしてなんぼであろうプレゼンの朝にぐびりとミックスジュース    有田里絵

☆怒鳴りあい沈黙しあいテーブルのぽっぽハニーの包みにヒヨコ   あまねそう

☆「あの頃はどんだけステキだったか」とあきらめ顔で我を語るな    黒路よしひろ

☆放射性核物質を食うゴジラ核廃棄物になぜ手を出さぬ     雨宮司

歌会記が年をまたいでしまって申し訳ありませんでした。
それでも、関西歌会は毎月続いております!
新しい方、お久しぶりの方はもちろん、普段は読んでいるだけの方も今年はぜひご参加下さい。
雑談やつぶやきも歓迎です。あなたのひとことが歌会を上向きにしてくれます。
お待ち致しております。(有田里絵/記)
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by kaban-west | 2011-02-14 09:43 | 歌会報告