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2024年 08月 05日
かばん関西八月歌会記 とき ・・・ 令和六年八月四日(日曜日)午後一時から五時 ところ ・・・ 大阪市中央公会堂 第六会議室 ◆参加者 雨宮司、李孟(所属なし)、小川ちとせ(詠草のみ)、久保茂樹、佐藤元紀、沢田二兎(所属なし)、雀來豆(所属なし)、十谷あとり(所属なし)、蔦きうい(所属なし)、千葉弓子(詠草のみ)、雛河麦、藤田亜未、有田里絵 以上の十二名です。筆名の後に特記事項のない方は、かばん正会員です。 参加者一覧を読めばお分かりの通り、かばん関西には、かばんではない方が多くいらっしゃいます。たまたまネット検索から辿り着いて参加してくださる方もおられます。毎回の参加者はだいたい十五名まで、男女比はほぼ半々です。そろそろコロナ前のようにお菓子を折り紙の上に置きながら開催したい、と皆うずうずしておりますが、水分補給以外の飲食禁止を求める施設がほとんどのため、しばらくは現状維持です。 今回の兼題は「木漏れ日」です。渡邊千歳さんに考案していただきました。普段は有田が独断で出題することが多いため、どうしても頭が偏る点が気になっており、今回依頼した次第です。日本語では時おり目にするこの言葉ですが、日本語以外ではぴったりくる語が見当たらないとのことで、お題に挙げてくださいました。「四文字での詠み込み指定、表記は問わず」という条件でのお題に対し、次のような短歌が集まりました。 当日は、十谷さんに司会をお任せしました。卓上時計持参という安定感の元、時間ぎりぎりまで短歌の話ができました。詠草一覧のみ掲出します。 ◆兼題「木漏れ日」 キャラバンの列へあなたを見おくった北の砂漠にこもれびが降る 小川ちとせ 耳は穴かそけききみの声ならば木漏れ日として揺れて落ちゆく 千葉弓子 自転車で駆け下る坂七月のこもれ日のごとく荒れた舗装を 十谷あとり 木漏れ日のゆれる五月の果樹園で盗蜜をする鳥になりたい 雀來豆 風も葉も流れてしまう木漏れ日を瞳にうつす吾子との時間も 渡邊千歳 ブロッコリーの幹にもたれて昼寝するアリスで遊ぶこもれびホタル 雛河麦 木洩れ日を破るが如く蟬時雨されど光と影は盤石 雨宮司 包丁を光る角度で持っている私の情を木漏れ日に乗せて 李孟 木漏れ日の中をゆっくり歩き行く車椅子から立ち上がる影 藤田亜未 去年の夏建ちし隣家に木洩れ日の降りかかりたる自転車二台 有田里絵 愛憎がコモレビもようの蜥蜴だからあなたのまだらのこころがすきだ 蔦きうい 芥川しとねのみどりこもれびにおまへとゆふぐれまでねむらむ 佐藤元紀 目のなかへまっすぐ刺さる咎めなので避けずに擲たれるそれも木もれ陽 蔦きうい 捉へたといふ喜びに溢れてる「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」にそそぐ木漏れ日 久保茂樹 「母が退院して一か月が過ぎ、仕事の合間に、テレビを見ている母の背中をそれとなく観察するようになった。既に夏は到来しており、去年の出来事が心に浮かぶ。日々の愚痴をこぼしつつも彼女は屈託ない笑顔を見せ、私の分までデザートを平らげていたが、あれは思い過ごしだったのかもしれない、と唐突に気付いた。数日後、台風一過、花屋の脇の路上に散る花弁に目を留め、公園へと足を延ばすと、毬栗がいくつか転がっていた。まだ実ってさえいないのに。しかし、私はもっとその緑が欲しくなった。」 という物語が、いただいた自由詠をまとめている間に立ち上がってきました。各人の歌が自然に結び合わされていくような気がして、満ち足りた時間でした。 ◆自由詠 朝ドラを観ている母の旋毛かな放射線治療からまた伸びて 千葉弓子 「Uボート」ボルト吹き飛ぶ演出に潜水深度の恐ろしさ見る 雨宮司 ケララチキンの赤唐辛子噛み締めておまへとほほゑみあふ夏がくる 佐藤元紀 何者か思い出すごと広がっていくアッサムティーの紅い髪 雛河麦 お揃いのマグに浸せば解けだしてゆくビスケットの無言のH 雀來豆 半分にねむりぐすりを割る夏の指チョコレートが汚していたり 小川ちとせ よく食べてよく笑い寝るそれだけのことができない夏の真夜中 藤田亜未 ひつそりと学校の先生をしてゐたか月見草やなキム・ウンヨンは 久保茂樹 未完成の感情の青棘のあを今朝けざやかに毬栗は落つ 十谷あとり 活性化される予感に貫かれまっすぐ緑のセロリ買い足す 有田里絵 うちの鍋の具はズッキーニとブロッコリーだけど結婚してくれるかな 渡邊千歳
by kaban-west
| 2024-08-05 20:05
| 歌会報告
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