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2023年 09月 24日
かばん関西長月歌会記 とき・・・九月二十四日(日曜日)午後一時から五時まで ところ・・・大阪市中央公会堂 第六会議室 ◆参加者 雨宮司、有田里絵、佐藤元紀(詠草のみ参加)、雀來豆(所属なし)、十谷あとり(所属なし、詠草のみ参加)、蔦きうい(所属なし)、雛河麦、渡邊千歳(詠草のみ参加) お名前の後に記載がない方はかばん正会員です。本当に厳しい残暑が続き、どうなることやらと思いながら、当日は五人が集まりました。会場にはエアコンが控えめにしか入っていないのですが、石造りの建築であるためか、快適に過ごせます。 事前募集の詠草は、兼題「満月」限定で、詠み込み指定なしとして出題しました。今年の仲秋の名月は、九月二十九日でしたので、歌会で満月を集めてみよう!という意図に基づいています。自由詠草と合わせてひとり二首としたところ、提出された歌には個人差が見られて、興味深く受け取りました。 詠草一覧の一部を掲載します。 ☆ 兼題「満月」 空腹の君の脳に満月はホットケーキか いいよ作るよ 有田里絵 二十時のダブルスチールあざやかにオーロラビジョンの上の満月 雀來豆 追いだした男の遺品。卓上に溢す梅酒に映るまんげつ 蔦きうい 漕いでゆく海に浮かんだ満月へただひたすらにただ懸命に 雨宮司 道長もこんな気持ちか「アメトーーク!」見つつビールとえび満月と 渡邊千歳 君と僕ふたりの月を足してみてバナナも足して今日は満月 雛河麦 望月十六夜立待居待臥待の身の行くすゑをおもふ待宵 佐藤元紀 満月の夜に生まれた子どもらは眠る黄色の眼を閉じて 渡邊千歳 「黄色の目ってあんまりないですよね。あっさり読んでしまいましたが、違和感が残るのではなく、不思議で面白い表現だと思いました」 「月だと、金色とか銀色なら、ありそうですけどね。満月の色が目に映っているのかな。ちょっと絵本的なイメージ」 「大潮に出産が多いっていう話を思い出した」 「あっさり、眼という漢字をまなこと読めてしまうのは、短歌の人だからかな」 このように、当日の参加人数が少なめの時は、ほぼ一人一回言及しつつ、意見交換が進んでいきます。リアクションも交えつつ、和やかに進行していきます。自分一人で取り組むときには到達しない発想があり、やはり歌会という場所の力を体感できます。 ◆今回の歌会のキーワード「言いさし」 筆者は、その日の歌会独自のキーワードを捉えようとしながら進行しています。今回は「言いさし」でした。これは関西弁に属し、言いかけた表現のままにしている、という意味で使っています。 言いかけたまま読者に解釈が委ねられている歌が出てくると、だいたい以下のような反応があります。 1「何が言いたいのかわからない。ヒントがほしい。誰か教えて」 2「これは分からないまま、雰囲気を楽しめばいいタイプの歌だ」 3「自分で、書かれていない部分を補足して読む歌だと思う」 当日の参加者は2と3に分かれました。もっと多くの人に同じ質問をするとどうなるかは分かりませんが、かばん関西では1を選ぶ人は少ない傾向にあります。答えのない文学表現に取り組む以上、いつまでもなくならない問いでしょう。 ☆ 自由詠 渡船より自転車を押し降りる人らけんけん乗りに途を急げり 十谷あとり 抱きしむるまにまに俺とおまへには短き秋と冴えゆく冬を 佐藤元紀 もらもらと雲湧き上がる地を離れ錦秋の地を歩き続ける 雨宮司 すぐにまた転校していく子のようにヤクルト1000を見ているヤクルト 雛河麦 凶眼の副園長の眼を盗みぼくらは月兎を解き放つ 雀來豆 #
by kaban-west
| 2023-09-24 16:12
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2023年 08月 31日
かばん関西八月オンライン歌会記 ◆参加者 雨宮司、有田里絵、ガク(購読)、雀來豆(所属なし)、雛河麦、渡邊千歳 ・・・お名前の後に記載がない方はかばん正会員です。 ◆兼題「中」 ひとり二首まで、漢字の詠み込み指定としました。読み方は問わず、しかし常用以外は読み仮名を書き添えることにしました。あまりにも自己流の当て字は目立ちすぎてしまうという難点がありますので、飛び抜けた歌は詠みにくいだろうと推測して出題しました。 ◆選歌方法 今回は「星三つ、使い切り方式」での選歌としました。一首に☆三つでも、一首に☆一つずつでも良いことにしました。 以前からの懸案事項として、選歌数と詠草の数のバランスということがあります。多いほうが選ばれる確率が高くなり、参加者の方には喜んでいただけそうなのですが、そう単純でもないのです。選ぶことは、選ばない歌を決めることでもあるためです。「あと一票あったらこの歌も選んでいたのに」というコメントをたびたびいただくのは、参加者のみなさんそれぞれのご配慮でしょう。 そのために、持ち点ならぬ「持ち星方式」をときどき利用しています。同じ人間が係を続けることによるマンネリ化を避けるためにも、細かくあれこれ試行錯誤しております。ちょっとしたアイデアが歌会に新風をもたらしてくれますので、試してみたい方がおられましたら、お声をお聞かせください。 ◆ 八月オンライン歌会「中」詠草一覧 ◆ 詠草一覧の順に挙げています。 ・『硝子戸の中』を読むたび牛になる必要性に思い当たりぬ 有田里絵 夏目漱石の随筆集『硝子戸の中』です。また、若い作家に宛てた手紙に「牛になる事はどうしても必要です」と書き送っています。 ・我が胸の想いは消えず夏の夜の夢の中にて逢わんとぞ思う。 ガク 星の多かった歌です。読んだことのある語句がいろいろ使われており、つっこみを入れやすいにも拘らず、最後の読点までおもしろく読めます。 ・鍋の中のぞく時間は一人きり逃げ込むための真夏の角煮 有田里絵 ・見てあれが「中の人」だよ普段ならしちゃダメなこと全部やってる 渡邊千歳 つい何をしているのか聞きたくなります。作者の願望ではないだろうか、ダメなことのほうが生きている実感がある、という読みも寄せらせました。 ・願わくは小さな輪っかの美しい中古で廉い土星がほしい 雀來豆 星を集めた歌。漢字「廉い(やす)」を初めて知る人も多かったようです。土星は地球よりも巨大な天体だから作者の中でどんな大きさを希望するのか知りたいという声がありました。 ・水銀柱上昇中の路駐車でチュートリアルをいま通読中 雨宮司 ・御中と書くたびWantYou! ごきげんなシャウトで跳ねる中のひとB 雛河麦 狂騒曲のようだ、Bは一個人の中の別人格ではないか、という意見がありました。実際にこういう書き間違いをする人もいるらしいですね。ともかく笑えれば、次へ進めそうです。 ・うろの中に釦光れりあえかなるK植物園のかくろえ 雀來豆 ・熊蝉の合唱の降る只中に我立ち尽くす 深い青空 雨宮司 結句の「深い」は色の濃さではなく距離感である、心の奥深くにある空ではないか、玉音放送を聞いているのでは、などのコメントがありました。立ち尽くす理由は書かれていません。 以上、九首です。
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by kaban-west
| 2023-08-31 16:03
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2023年 07月 07日
かばん関西七夕中之島歌会記 ◆とき 七月二日(日曜日)午後一時から五時 ◆ところ 大阪市立中央公会堂 第六会議室 ◆参加者 雨宮司、有田里絵、小川ちとせ、久保茂樹、黒路よしひろ(所属なし)、沢田二兎(所属なし)、雀來豆(所属なし)、ちば湯、蔦きうい(所属なし)、雛河麦 ・・・お名前の後に記載がない方はかばん正会員です。 詠草の後のカッコ内にあるお名前は、その歌を選んだ人です。とはいえ、みんなで詠み進めるうちに評価が変わる歌もありました。「あれ、どうしてさっきこの歌を選んでいなかったんだろ」という声も聞こえてきました。場の力が働くと、それぞれの歌の読み方や印象が一気に変わることがしばしばあります。 今回の兼題は、とあるボサノバ歌手の訃報を聞いた日に決めました。当日配布した詠草一覧の順に挙げています。 ◆兼題「夏の音」 ・ダクダクと水風船の水ゆれて天地創造前夜は嵐 雛河麦 (雨宮、有田、久保、雀來豆、蔦) 夏祭りで売っている水風船の揺れ方をみなさん思い出しながら手を揺すっていました。「ダクダク」という表記はとても分かりやすいです。手の中に天地創造が入っているスケールのおもしろさにも評価が集まりました。 ・水の音塩素の匂い眼下から挙がる喚声「俺も入りてぇ」 雨宮司 (なし) 一読してプールだと理解できます。にぎやかな歓声ではなく「喚声」であることに対して、職場の辛さや苦笑いするほどの暑さが伝わるという声がありました。 ・カルピスの氷を突つくマドラーに駄メン逹(ズ)ごのみと語りかけにき 蔦きうい (有田、黒路) 空っぽのぼくたちがいて三ツ矢サイダー遠い過去から聞こえる夏の音 黒路よしひろ (久保、雀來豆) ・炭酸水ばしゅばしゅ鳴らすひねる度ペットボトルに夏を閉じ込め ちば湯 (小川、雀來豆) 遠くからいらしてくださったちば湯さん、ありがとうございました!擬音に頷きながら手元のペットボトルを触る参加者がいました。「結句は、閉じ込めて、にするのもいいのでは」という意見がありました。 ・とけながら小さく呼べり水出しのコーヒーのグラスに氷は 小川ちとせ (有田、黒路、沢田、雛河) 「小さく呼べり」と倒置法によってやさしく控えめな印象になり、抒情性が増しています。 ・風に乗りとぎれとぎれに聞こえくる笛と太鼓に耳が踊るよ 久保茂樹 (有田、沢田、ちば湯) ・風なくて涼しさを買う街々に花火が咲いてやっと八月 沢田二兎 (雨宮、蔦、ちば湯) 「涼しさを買う」はあまり見ない表現です。「街々とあるから、ビル街とかオフィス街で、買うというはっきりした表現が合っている」という意見がありました。結句の「やっと八月」もその通りです。暑さに対しても、年月に対しても実感が伝わります。 ・素麺を締めるけはいは簾ごしに男の拗ね息におわせてくる 蔦きうい (黒路) 「拗ね息」とは拗ねて気だるい溜息をついているけれど、たぶん仲は良いのだろうという考えで参加者は一致していました。 またその場にいた全員が「簾ごし」を「みすごし」と読んでいましたが、一般的な読み仮名は「すだれ」です。短歌に触れている人が集まるとこういうことが起きるのだという、ささやかながら興味深い例でした。 ・かき氷少し黙って食べようかしゃくしゃく音もそれぞれ違う 有田里絵 (久保、沢田、ちば湯、雛河) 登場人物は何人でどんな人間関係かを各自が想像していました。恋人同士、部活帰りの学生たち、家族、どれでも読めます。 ・しろたえの泰山木のあかるさに満ちて夜禽は声たてており 雀來豆 (雨宮、小川、蔦、雛河) 「しろたえの」は枕詞ではあるものの、タイサンボクと夜禽が織りなす光景に白は似つかわしく、絵本のような情景を好感を持って受け止める人が多くありました。 以上十一首 ◆自由詠 ・しづかやしきれいけどちよつといけずかな阪急電車夙川越える 久保茂樹 (黒路、雀來豆、雛河) 久保さんご本人の声で披講してもらうのがいちばんふさわしい歌です。「いけず」と「夙川」の選択がぴったりです。 ・汗しとど力にまみれ清掃を続ける身にはまあありがたい 雨宮司 (ちば湯) ・両の手は花火に合わせ開かれり 薄紫の浴衣、補聴器 有田里絵 (小川、沢田、雀來豆、雛河) 身体的にそういう立場の人がいるのだとは伝わったものの、詳細は詠み手の想像に任されることになった。 ・ごめんねの代わりにくれた甘栗の赤い袋をかかえて帰る 雀來豆 (有田、小川、久保、沢田、蔦、雛河) ・見え透いた恋の駆け引きにも嫉妬してチョロいおとこになってしまった 黒路よしひろ (雨宮、蔦、ちば湯) 「自虐的なようで、さみしさが強く出ている」「チョロいは何度か読んでいるとおもしろくなってくる」という意見がありました。 ・クチナシの花の黄色く萎れてはドジソン先生アリスを失くす ちば湯 (雨宮、有田、雀來豆) ・ドーナツのまん真ん中をぬけていくあの日の匂い甘い夕焼け 沢田二兎 (黒路、蔦) ・ワレワレハ、ウチュージンダの宣言を笑って聞いている扇風機 雛河麦 (雨宮、小川、久保、沢田、ちば湯) 「これ、やったことある人?」と質問するとみんなイエスと答える参加者でした。 ・世界中の悲しみ映す窓を閉じ歯ぐきのための歯みがきをする 小川ちとせ (有田、久保、黒路) 窓については、「パソコンの画面でしょう。テレビだと弱いかな」という意見がありました。それでも、せめて、自分一人の健康は何とか守ろうとする姿勢にしみじみと共感が沸きました。 以上九首
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by kaban-west
| 2023-07-07 15:54
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2021年 10月 04日
かばん関西長月オンライン歌会記 ◇スケジュール記録 進行係・・・有田里絵 九月二日 詠草募集案内 九月十二日正午 詠草提出〆切 同日午後 詠草一覧の配信、選歌案内 九月二十三日正午 選歌〆切日だったが、〆切の延長を発表した。 九月二十六日 選歌最終〆切 九月二十九日 選歌結果の配信 九月三十日 選歌の修正版を配信 ◇参加者一覧(お名前の後に何も記載がない人は、かばん正会員) 雨宮司・新井蜜(塔)・有田里絵・小川ちとせ・黒路よしひろ(所属なし)・佐藤元紀・雀來豆(所属なし)・白辺いづみ・瀧川蠍・雛河麦・美富うをみ 一か月先が本当に分からない今の世の中において、それぞれの過去を歌に乗せてもらおうと考えて、お題を「過去」にしました。かばん関西の歌会では、兼題はだいたい進行役が決めていますが、どなたか(前月に得票数が多かった人、新しく来られた人など)に頼んで決めてもらったこともあります。詠草一覧の掲載順に挙げます。 ◆詠草一覧 兼題「過去」◆ 大切に隠されていた羽衣に火をつけている君が死んだ日 雛河麦 羽衣と死を結びつけた歌に惹かれた人が多かったようです。何かの比喩として羽衣が使われているのでしょうけれど、わかりません。それでもはっきり「君が死んだ」と書くことで本来氏と離れたところにいるであろう存在が死に至ることを表しているように読めました。 朝顔の種落つるころよみがえる終わりし人の些細な言葉 有田里絵 わたくしを殺した影か満月のひかりのなかを風に揺れるは 新井蜜 わたくしとはどんな人だったのでしょう。戦死した兵士、宮中の女性、社会的に抹殺された人など、いろいろな読みがありました。生きているうちの最後の記憶が漂っているような歌です。 きょうしつではにほんごだけではなしましょう形容詞過去否定形まちがえていいから 小川ちとせ ひらがな表記と字余りが易しく、そして優しく見えます。間違えたっていいものは、他にもいろいろあります、という声がありました。 過去世より現世へ向かう人々よ楽を選ばず充実目指せ 雨宮司 辻を抜けことこと怖い辻を抜け妖怪電車はゆっくり走る 雀來豆 ひんやりした空気が漂っていそうな電車ですが、実際はごく普通の電車に乗っていたのでしょうか。古い路面電車などに乗ったら(京都の嵐電には妖怪電車のイベントがあるそうです)、窓の外に薄暗い辻が見えそうですね。過去に運ばれていくような。 ひとの棲む場所に文明は生まれ幾百年をたたずむ遺跡 黒路よしひろ 精髄を煮つめてにがきクレイオーのゆめをふふみてなほ美しき日暮れ 瀧川蠍 クレイオーとはギリシャ神話の女神だそうです。歌が詠めなくて(何らかの表現の道に行き詰まりを感じ)、何とかしようともがいている感じだという意見がありました。ていけいにおさまっていないのはもどかしさの表れのようでもあります。 天高く鱗雲風にくづほれて我も見ぬ世に埋もるべきを 佐藤元紀 読み進めると、過去、現在、未来それぞれに想いを馳せることになっていく歌です。 バーベナに烏揚羽の脚の触る沢田研二はジュリーであった 小川ちとせ 結句「ジュリーであった」に評価が集まりました。バーベナ、烏揚羽との取り合わせがあっているかどうかは読み手それぞれですが、過去というお題にぴしっとはまっている歌です。 いつまでも生きていかねばならぬとはクラーク記念館の耐震 美富うをみ 形あるものはいつか壊れるという原則に、耐震工事をして抗っているのでしょうか。クラークさんはのぞまないかもしれませんね。死ぬことさえ許されていない、失うことを受け入れがたいのでは、などの意見がありました。 ◆詠草一覧 自由詠 白鷺が浅瀬を歩く真似をする涙を見られそうな気がして 美富うをみ この夏のすべてを目にして立ち枯れる向日葵から抜くSDカード 雛河麦 , 高得点歌です。今はあまり使わなくなった記録媒体で、これだけで今回の兼題にも入れますね。情景を思い浮かべやすい歌というのは、読み手にとって気持ちを乗せやすい歌です。 差し向かうたたずまいには惹かれても囲碁と将棋が混ざってしまう 有田里絵 「ねえ、あめふりよる」はるか雲よりまつすぐに落ちてはじけぬきみへと ぼくも 瀧川蠍 ガンダムは思想なのだと嘯いて思想無きぼくの長月の夕餉 黒路よしひろ ガンダムが思想でぼくは思想ではない、という発想がおもしろいです。最終的に自分の日常詠になっています。 法師蝉鳴く叢林に抱かれてああわたくしは生かされている 雨宮司 下の句の読み方によって、主体がどのような環境にあるのかいろいろ想像できますね。深刻な、というより、神妙な、神聖な。今のごたごたした世相において、ふとしたときにこのような感慨がわくのかもしれません。 はつあきの部屋ひそやかにからみあふ俺とおまへに咲く彼岸花 佐藤元紀 「はつあき」の「彼岸花」が良いという評がありました。あの世とこの世の境目、いつかは来る別れを知ったうえで会う二人の切実さが出ています。 百番を過ぎても止まぬ宇治橋で出會つた少女らのあそび歌 雀來豆 二度ベルを鳴らしてみたが目覚めないあなたはどこへ行つたのだらう 新井蜜 不思議な物語のようで、考え始めるとますます分からなくなり不思議さが増してきます。 詠草は以上です。 緊急事態宣言が終わったとはいえ、しばらくはオンラインでの歌会となりそうです。それでも、ゆっくりと、状況は動いています。短歌に親しむ心を持ち続けて、お会いする機会を楽しみに待ちたいと思います。 (有田里絵 記)
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by kaban-west
| 2021-10-04 23:58
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2021年 08月 31日
■かばん関西葉月オンライン歌会記■ ◇スケジュールなど 令和三年八月六日 詠草募集開始。今回は自由詠のみ、ひとり二首まで提出可能としました。 提出〆切は八月十三日午後九時。 八月十五日 掲示板に詠草を掲載、意見交換の開始(八月二十九日まで)。今回は選歌をせず、それぞれが〆切時間までに自由に掲示板に出入りして、評や意見を書き込む形式を取りました。やり取りの流れを感じる掲示板となりました。 ◇進行係 十谷あとり ◇参加者(名前の後に記載がない人はかばん会員) 雨宮司・新井蜜(塔)・有田里絵・黒路よしひろ(所属なし)・佐藤元紀・雀來豆(所属なし)・十谷あとり(所属なし)・白辺いづみ・蔦きうい(かばん/玲瓏)・雛河麦・美富うをみ ◆詠草一覧(順序は配信時と同じ) 仏間に大百足来てかすかなる土のにほひす午後のうすやみ 雀來豆 燦々と光とともに大粒の雨が降りだす 夏のいたずら 雨宮司 架空のオペラならざるはありや熱帯夜おまへのみだれひたと抱きしめ 佐藤元紀 運命を分け合うように午前五時四十五分のプラットホーム 美富うをみ 歩くほどその差がひらく背の高い君がよかったはずなんだけど 雛河麦 炎天下プールサイドの散水に蛙誘われたちまちうだる 雨宮司 温暖化防止基金がついている白くまアイスなら百個買う 有田里絵 サイレンが集まつてくる救急車「右へ曲がります」パトカーもくる 新井蜜 音だけが聞こえる花火さつきから 隣りの町の祭りかけふは 新井蜜 千年の空とつながるためにある五重塔の祈りの時間 美富うをみ 聖なる光識らぬ身の永遠はいさ秋の陽の我が一期五十五 佐藤元紀 beep-beep美術館の売店にミュージアムショップなどとルビをふらないでくれ 雀來豆 草笛を、ぷぅーーぷぷぷーーと夏空に while文、涙は無限のループ 黒路よしひろ 夕闇に見えがたかりしものいくつ 花火のけむり、いたみ、波音 十谷あとり 詠草は以上です。 私事ながら、職場でコロナビールを扱う機会があります。コロナビールには瓶やら缶やら何種類かあるのですが、どの商品も外箱が薄くて持ち運びにくいのにずっしり重いという点では共通しており、作業者の中ではあまり人気がありません。しかしながら日々確実に売れていきます。この商品が飲み尽くされるころ、コロナウイルスも収束してくれるのではないか、などと考えてしまいます。 お会いする歌会にかなうものはまだ見つけられそうになく、参加者それぞれに想いのある中で、様々な試みがもうしばらく続くことになるでしょう。それでも、短歌にしかない「こころ」を感じるのはとてもとても大切で、うれしい時間です。どなた様もお気軽にご参加ください。 (有田里絵/記)
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by kaban-west
| 2021-08-31 15:20
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